「国際子ども平和賞」を受賞したアース・ガーディアンズ・ジャパン代表・川崎レナさん。環境保護活動や子どもの意見を政治家に届ける仕組み作りに取り組んでいる。川崎さんが社会問題に関する活動を始めた原点とは。AERA 2023年1月2-9日合併号の記事を紹介する。
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2022年11月14日、17歳の高校生・川崎レナさんはオランダで「第18回国際子ども平和賞」を授与された。日本人では初の受賞ということで話題に。国際子ども平和賞は児童権利擁護組織「キッズライツ財団」の主催で、46カ国175人以上の候補者から川崎さんが選ばれた。過去にパキスタンのマララ・ユスフザイさん(人権運動家、2014年にノーベル平和賞)やスウェーデンのグレタ・トゥーンベリさん(環境活動家)などが授与された栄えある賞だ。
Zoomの画面に現れた川崎さんのウェブ背景には背の高い本棚がたくさん並んでいた。川崎さんが通うインターナショナルスクールでは大学のように受講希望の授業を選択・履修する。その空きコマに、学内の図書室からリモート取材に応じてくれたのだ。
「私の両親が『インターナショナルスクールはどう?』と勧めてくれました。自分の子どもには海外で自己表現できる人間になってほしいと思ったみたい」
教育熱心な家庭との印象を受けたが、かなり自由なようだ。
「私が何か習いたいと言ったらお膳立てをしてくれるけど、その後は何も言いません。私がやってきた活動も今回の受賞で初めて知り、『なんだかすごい賞なのね』って(笑)」
笑顔が愛らしい。まっすぐで正直な目をしている。“雑誌の取材だから”と変に背伸びしようとする雰囲気もない。
■文化祭売り上げを寄付
川崎さんが社会問題に関する活動を始めたのは、8歳のときに出合った本がきっかけだった。『ランドセルは海を越えて』(ポプラ社)というタイトルの写真が多く入った絵本。戦禍で疲弊したアフガニスタンにランドセルや文具を贈る活動を紹介したものだ。