売るにしても、貸すにしても高値がつく“富”動産はどこにあるのか。それを知るために、10年たっても価格が落ちなかった駅をランキング化。これを見れば、稼げない“負”動産に惑わされることなく、富動産を生むエリアがわかる。
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「負動産」と「富動産」を分ける最大の要素は、どのエリアか、どの駅か、駅から何分か、という立地だ。
では、不動産を買う際、その最も大事な「駅力」はどう見極めればいいのだろうか。東京カンテイ市場調査部上席主任研究員・井出武さんの協力で、アエラは、東京23区、23区以外、首都圏、中部、関西、地方主要都市の6大都市区分を対象に「買ってから10年経っても高値で売れる駅」、つまり「資産価値が下がらない駅」をランキング化した(表参照)。
順位の基準になっているのは今からおよそ10年前の2007年4月~10年3月に新規分譲された物件が、18年4月~19年3月に中古として流通したとき、当時の買値の何パーセントの価格で売買されているかを示した「リセールバリュー」だ。つまり10年前に買ったのに資産価値が上がっている、もしくは値下がり率が低い物件が上位になる。過去のデータではあるが、現実に「10年経っても資産価値が衰えていないのだから、これから買ってもある程度の安心感はある」という見方ができる。
また、仮に買った物件を賃貸に回した場合、何%の利回りになるかも調べてもらった。つまり、「将来は売ってよし・貸してよし」の富動産予備軍がピックアップされている。
ランキングの対象となる物件は、以下の通りだ。
●東京23区……70平方メートルで中古価格が6千万円未満
●他の5区分……70平方メートルで中古価格が5千万円未満
富裕層向けのタワーマンションや投資用など購入価格が高すぎる物件を排除することで、一般的な読者層が実際に住むために購入できる“現実的な駅”がランクインしやすいような設定にした。