「リセールバリューは、東京23区では東京スカイツリーに近い都営浅草線の本所吾妻橋駅が124%、晴海、豊洲に次ぐ湾岸エリアの注目スポットになりつつある東京メトロ有楽町線辰巳駅が120%と突出。その他にも、根強い人気のある下町・湾岸・城北エリアが大挙ランクインしています」(井出さん)

 東京の23区以外では国領や京王多摩川など京王線沿線や、豊田、東小金井などブランド力の高いJR中央線の穴場的な駅が上位を占める結果に。首都圏全体では、JR京浜東北線東神奈川駅のリセールバリューが129%と断トツの価格維持力を示した。その他、横浜市営地下鉄の日吉本町、京急線の京急鶴見といった都心南部へのアクセスがいい川崎・港北地区の駅が上位に入っている。千葉県、埼玉県の昔から知られたベッドタウンもランクイン。

 中部地方では、JR中央線で名古屋駅まで20分の勝川駅や12分の大曽根駅、名古屋市営地下鉄東山線の藤が丘など、アクセスのいい郊外エリアのリセールバリューが高くなる傾向が強かった。愛知県の中心地、栄まで10分以内で着く市営地下鉄名城線の西高蔵や東別院など、下町エリアも上位に。

 関西エリアでは梅田まで徒歩10分強で行けるJR東西線の新福島とJR京都線の京都が2強。京都駅やなんば駅などの人気は、インバウンドで盛んに関西を訪れる外国人の購入に支えられている可能性も高い。

 ランキングに示されている「利回り」という項目も注目してほしい。これは駅周辺で賃貸されている築10年70平方メートル物件の賃貸料が、同じ築10年70平方メートルの中古物件の販売価格の何%になるかを示したものだ。

「不動産市況に精通した人の中には、利回り10%超の物件を選んで買い、数年で売却を繰り返す上級者もいます。普通に買って自分が住むだけという人は利回り3~4%のエリアに注目するのが無難です」(同)

 利回りは高いほうが得するように思えるが、そうではない。

暮らしとモノ班 for promotion
2024年の『このミス』大賞作品は?あの映像化人気シリーズも受賞作品って知ってた?
次のページ