お笑い第7世代ブームも一段落し、さらに下の世代から新たな才能が現れつつある。民放バラエティー制作スタッフはこう述べる。
「粗品さんは近年、炎上発言が重なって、少しおとなしくなった印象です。フラストレーションは相当たまっているはずで、窮屈なテレビ業界とのバランスを取ろうとするあまり、今回のような“破天荒アピール”につながったのでしょう。『新しいカギ』は苦戦しているとはいえ、フジテレビのゴールデン帯の王道路線を突き進んでいるわけですから、今こそ真価が問われます。今夏、4年ぶりにフジテレビ系でオンエアが予定されている『27時間テレビ』のメインMCは千鳥やかまいたちに持っていかれましたが、『新しいカギ』メンバーもただ指をくわえて見ているわけではない。今はしっかり爪を研いで、次の機会を虎視眈々(たんたん)と狙っているはずです」
■子育てエピソードでイメチェン?
一方、2021年にタレントの秋山衣梨佳と結婚した粗品だが、「家庭を持ったことで“ある変化”が生まれつつある」と言うのは、スポーツ紙の芸能担当記者だ。
「粗品さんは結婚後、『子どもが小学校に入学して送り迎えがあるからクルマの免許を取る』とラジオ番組で明かして話題になりました。テレビやラジオでたまにお子さんの話をするようになったのには、確かな変化を感じます。ギャンブル好きの“破天荒芸人”というキャラを押し出す一方で、父親らしい自覚もでき始めた。この振れ幅が新たな笑いを生み出しそうな気配はあります。もともと同志社大学1回生のときにオーディションで合格して吉本興業に入り、すぐさま『オールザッツ漫才』のネタコンテストに初出場で優勝。生粋のエリート芸人ですから、ポテンシャルはまだまだあるはずです」
コンビとしての今後も気になるところだ。お笑い評論家のラリー遠田氏はこう述べる。
「霜降り明星のすごいところは、個々人の能力が高くてキャラクターも立っているうえに、2人でいるときに抜群のコンビネーションを発揮することです。ラジオ番組などで2人だけで話しているときには、イジり合ったりふざけたりしながらも、お互いのことを深く理解して、信頼している感じが伝わってきます。コンビとしての魅力を存分に発揮できるような企画があれば、今後もテレビでもっと活躍することができるようになるはずです」
令和の“破天荒芸人”の未来やいかに。
(藤原三星)