3月31日にラストランを迎える石勝線夕張支線。住民の足が、また一つ消える。廃線の決定以降、全国から鉄道ファンが駆けつけている(写真:JR北海道)
3月31日にラストランを迎える石勝線夕張支線。住民の足が、また一つ消える。廃線の決定以降、全国から鉄道ファンが駆けつけている(写真:JR北海道)
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3月23日、リアス線として運転を開始する三陸鉄道の車両。写真は北リアス線の堀内~野田玉川間。眼下に、リアス式海岸の岩場と太平洋が望める(写真:三陸鉄道)
3月23日、リアス線として運転を開始する三陸鉄道の車両。写真は北リアス線の堀内~野田玉川間。眼下に、リアス式海岸の岩場と太平洋が望める(写真:三陸鉄道)
鉄道ジャーナリスト松本典久氏が選ぶ、2019年「ダイヤ改正」ベスト10(AERA 2019年3月18日号より)
鉄道ジャーナリスト松本典久氏が選ぶ、2019年「ダイヤ改正」ベスト10(AERA 2019年3月18日号より)

 3月は鉄道にとって、大きな変化の季節だ。今年は地道なサービス改善が特徴といわれるが、路線の廃止もあれば、開業もある。鉄道ジャーナリストの松本典久さんが選んだ2019年「ダイヤ改正」ベスト10をもとに紹介する。

【鉄道ジャーナリストが選ぶ 2019年「ダイヤ改正」ベスト10はこちら】

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 JRが発足して32年。地域の暮らしと経済を支えてきた各地のローカル線は、人口減やモータリゼーションによって廃線の流れが止まらない。今年も消えゆく鉄路がある。

 7位の「石勝線(せきしょうせん)夕張支線(新夕張~夕張間)の鉄道事業廃止」もその一つ。3月31日にラストランを迎える。

「寂しいです……。中学、高校と毎日乗ってましたから」

 北海道夕張市に暮らし、「ありがとう夕張支線実行委員会」副実行委員長を務める多喜雄基(たきゆうき)さん(66)は、心情を吐露する。

 夕張支線は、古くは「炭都」として栄えた夕張市を走る16.1キロのローカル線だ。1892(明治25)年、夕張炭鉱で産出する石炭の輸送を目的として敷設された夕張線が母体となっている。国鉄の路線となり、1981(昭和56)年の石勝線の開通で支線になった。だが90年、すべての炭鉱が閉山すると、人口が減少し乗降客は激減。1列車の乗客は1ケタないし十数人になった。経営難のJR北海道は16年11月、「単独で維持困難」とする10路線13線区(計約1237キロ)を発表したが、その中で夕張支線は初めて廃止が決まった。地元・夕張市も早くから廃線に同意し、バス転換を打ち出していた。ただ、バスの運賃は最大で2.65倍となるなど、廃線後の交通手段について沿線住民は不安を抱えている。

 そんな中、先の多喜さんたちは昨年4月に実行委員会を結成。この1年間、フォトコンテストや貸し切り列車の運行などを相次いで企画し、廃線を惜しむ全国の鉄道ファンに応えてきた。多喜さんは力を込める。

「最後の日までみんなでがんばります」

 消えていく路線がある一方、新たに生まれる鉄道もある。9位の「三陸鉄道『リアス線』開業」だ。

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