
4年ぶりにアルバム「Eye」「Lip」を2枚同時リリースしたSEKAI NO OWARI。前作「Tree」から4年、リリースされた新作は2枚同時発売だ。結婚、出産などメンバーそれぞれにプライベートでの変化があった4年間について聞いた。
【画像】蜷川実花さんが撮った素敵すぎるSEKAI NO OWARIが表紙のAERA
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──久々の新作アルバムは「Eye」「Lip」、2枚同時発売です。このコンセプトはどのように生まれたのでしょうか。
Fukase:2枚にしようと言ったのは去年の初めくらいですね。既発の曲も沢山あったんですが、それは楽曲を提供させていただいたもの、書き下ろしたものがほとんどで。ありがたいことなんですが、はっきり言ってしまうと、すごくお利口な感じがしたんです。たとえば平昌オリンピックのテーマソングの話をいただいたときはすごく嬉しかったですし、それに対して真摯に向き合いましたが、その楽曲だけが僕らの100%かと言えば、それは違う。テレビやライブでのふるまいがそっちに寄っていって、片側しか自分を出していない感覚がすごくあった。そういう違和感を抱いてきた4年間だったので、「Eye」と「Lip」という二つの受け皿を作るというのが、僕らにとってすっきりしたやり方だったんです。目と口というのはどちらも語るものですよね。両方が真実を言っているとしても、必ずしもそこは一致しないという。
──「Eye」の方には、いまおっしゃった「お利口な感じ」とは違うダークな印象があります。
Saori:わかりやすく言えば「ダーク」と「ポップ」ということになるのかもしれないけれど、でも「Eye」の中にあるものすべてがダークなのかといったら、私はそう思わないです。
Nakajin:「夜桜」と「向日葵」という曲はそれぞれ4曲目に入っているんですが、どちらもほぼ同じメロディーなんです。そうやって最初から対にしようと思って作った曲もありますね。
──前作からの4年のあいだに、皆さんに家族もできて、特にSaoriさんは出産も経験しました。そのあたりの変化はどう感じていますか。
Saori:子どもを妊娠して出産して、本も2冊出して、すごく変化のあった4年間でした。今まで私にはバンドしかなかったんですけど、小説を書いてみたことで、メンバーの誰にも頼らずに一つの作品を完成させることができた。そのことで、よりバンドでやっていることが素晴らしいということに気付きました。親にもなって一歩大人になった4年間だったと思いますね。