(3)老後生活に入るのに資金はいくら必要か


※老後生活に入る以前にも、住宅購入や子どもの教育費など、高額な費用がかかるイベントがたくさんある。それらの出費も視野に入れて資産がいくら必要かを計算したほうがいい

 自分や配偶者の年収や生活費、貯蓄額などの数字を入力するだけで、定年時から、90歳までの収入と支出のバランスを試算してくれるシミュレーションサイトがある。

 マネックス証券が無料で提供している「マネックス・ライフプランシミュレーション」というサービスを使うと、老後のための将来資金や住宅資金、子どもの教育結婚資金づくりといった人生の目標をどの程度達成できるかが一目でわかる。

 目標貯蓄額を決めれば、投資期間や月々のつみたて金額などを設定することで、どのような金融商品でポートフォリオを組むと目標金額に達成できるか、投資プランのアドバイスもしてくれる。

「自分と配偶者やお子さんの年齢、配偶者も含めた年収や退職年齢、退職金の予想額や現在の貯蓄額、それに月々の生活費や住宅費といった支出を入力すれば、老後生活の収支はある程度予想できます。

 そこに、住宅購入なら3000万円、子どもを幼稚園から高校まで私立に通わせるなら1642万円、子ども大学が私立なら416万円、公立なら243万円、ペットを飼うなら年7万円×10年といったように、さまざまなライフイベントの平均的支出を加えることで、より詳細な収支もシミュレーションできます。

 日々の生活費が大変で貯金ができない人もいらっしゃると思いますが、貯蓄がない人はまず、支出を下げることで貯畜体質になることが第一歩です。そのうえで、貯めたお金を投資に回し、お金自体が働いて資産が増える仕組みを作ることが、老後生活を安心で幸せなものにするためのカギです」(大槻さん)

 具体的に実現可能な目標を設定して実際に行動を起こすことが大切なのだ。その目標設定に、インターネットで簡単にできるシミュレーションサイトを使うと「そうか、自分の家にはいくら必要なのか」という現実がわかって便利だ。(経済ジャーナリスト・安住拓哉、伊藤雅浩) 

※アエラ増刊『AERAwithMoney毎月5000円でつみたて投資!』の記事に加筆・再構成

著者プロフィールを見る
安住拓哉

安住拓哉

出版社勤務を経て2021年に独立。経済関連記事全般が得意。取材・執筆歴20年以上。雑誌の取材記事の他、単行本のライティングも数多く手掛ける。

安住拓哉の記事一覧はこちら