【※ネタバレ注意】以下の内容には、今後放映予定のアニメ、既刊のコミックスのネタバレが含まれます。
【写真】刀鍛冶の里編に登場する最強クラスの「上弦の鬼」はこちら
TVアニメ『鬼滅の刃』刀鍛冶の里編の放送が4月9日から始まった。遊郭の戦いで重傷を負った炭治郎たちは、医療施設である胡蝶しのぶの邸宅・蝶屋敷に運ばれ、しのぶの治療と指示のもと、看護担当の神崎アオイたちから温かい介抱を受けていた。アオイの献身ぶりには多くの鬼殺隊員が救われてきたが、実は彼女も“剣士”なのだ。しかし鬼との戦いには出向かず、後方支援に徹している。彼女は時々“戦えない”自分を卑下する様子を見せ、刀鍛冶の里編第1話でもそのような描写があった。アオイの心の内にはどのような思いが渦巻いているのだろうか。彼女の行動やセリフから考察する。
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■神崎アオイの号泣
音柱・宇髄天元、竈門炭治郎、我妻善逸、嘴平伊之助は、遊郭の戦いで「上弦の陸」の鬼と対峙し、重傷を負った。2カ月の昏睡から炭治郎が目覚めると、看護の神崎アオイ、すみちゃん・きよちゃん・なほちゃん、鬼殺隊後方部隊「隠」の後藤、そして「花の呼吸」の使い手である栗花落カナヲは、その回復を心から喜んだ。とくに印象深かったのは、ふだんはしっかり者で冷静なアオイが、炭治郎のベッドのそばで大粒の涙を流したことだ。
「意識が戻って良かった~~~!!! あたしの代わりに行ってくれたから みんな…ウオオォン!!」(神崎アオイ/12巻・第100話「いざ行け里へ!!」)
「あたしの代わりに」――この一言には大きな意味が込められている。負傷した炭治郎たちを見て、アオイは自分自身をひどく責めていた。
鬼殺隊には鬼と対決する「柱」や剣士以外に、情報収集部隊、事後処理部隊、医療班、隊服縫製担当者など、「戦わない」隊員はたくさんいる。それにもかかわらず、なぜアオイは重い責任を感じていたのか。
■アオイの後悔と苦悩
その理由を探るには、前シリーズの遊郭編冒頭をふり返る必要がある。遊郭潜入の指揮をとる「柱」の宇髄は、アオイたちを鬼のいる遊郭に連れて行こうとしていた。嫌がるアオイを左肩にかついだまま、宇髄はこんなことを言った。
「とりあえずコイツは任務に連れて行く 役に立ちそうもねぇが こんなのでも一応隊員だしな」(宇髄天元/8巻・第70話「人攫い」)