「立場」を利用することは、ご夫妻が最も嫌う行為だ。
眞子さまはいま、どう考えているのだろう。
体調を崩しつつも、眞子さまはこの半年、精いっぱい仕事に向き合ってきた。ブラジル移住110周年の行事に出るためブラジルも訪問。14の都市を巡り大勢の人々の期待に応えた。
紀子さまは会見でそんな仕事ぶりについて「心をこめて大切に、全力で務めてきた」と、敬意を表した。
眞子さまは、親子の間で異なる意見をたたかわせた時期でも、展覧会や音楽会には紀子さまを誘って一緒に出かけている。母と娘の間で長年大切にしてきたひとときだからだ。「今以前にも増して、このように長女と過ごす時間をとても大切に感じています」と、紀子さま。
秋篠宮さまは「結婚は両性の合意によって決まる」とした憲法を引用し、本人の意見を無視して親が結婚の可否を押しつけることはできない、との姿勢を周囲に言明してきた。
紀子さまも、母としての考えは既に十分眞子さまに伝わっているとして、それ以上踏み込んではいない。ただ、親しい友人には、こう話している。
「船の舵をいきなり90度、切りかえられるものではありません」「でも、どんな小さな船でも自分で進んでいく力を持っていることを信じています」
(朝日新聞社会部・斎藤智子)
※AERA 2018年12月10日号