ファクスには「今回決断することができたのはメンバーのおかげ」「温かいご声援をいただき、ありがとうございます」とメンバーやファンへの感謝の言葉がつづられていた(撮影/写真部・小黒冴夏)
ファクスには「今回決断することができたのはメンバーのおかげ」「温かいご声援をいただき、ありがとうございます」とメンバーやファンへの感謝の言葉がつづられていた(撮影/写真部・小黒冴夏)
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 人気グループKing & Princeの岩橋玄樹さんが、「パニック障害」を公表、休養に入る。おとなの病気だと思われがちだが、幼少期から患っていたという。

「病を克服し、今よりもたくましい岩橋玄樹になって必ず戻ってきます」「一生付き合うことになると思っていたパニック障害という病を、たくさんの方々の力を借りて克服するチャンスをいただきました」

 10月26日、報道関係者にジャニーズ事務所から送られてきたファクスには、岩橋玄樹さん(21)の思いがつづられていた。5月のデビュー後、環境が激変したことで心身のバランスを保つのが難しくなり、治療に専念することを決めたという。

 パニック障害は日本人の2~3%がかかるとされ、稀な病気ではない。20~30代で発症することが多いが、小学生の患者もいる。岩橋さんは小学3年生で発症したという。

 川崎市在住の女性会社員(23)が初めてパニック障害の発作を起こしたのは、今から10年ほど前のことだ。中学に入学し初登校する日に、家を出たところで動悸が激しくなり呼吸が乱れ、座り込んでしまった。

「このまま死んでしまうのではと怖くて、気が狂いそうでした」

 と振り返る。少し休むと回復したものの、翌日から家を出るたびに同じ症状に襲われるようになった。「心臓の病気なのでは」と循環器科を受診し検査をしたが、心臓や血管系に異常は見つからない。発作を恐れて通学できなくなり、不登校に。1年以上自宅に引きこもる日々が続き、母親の勧めで精神科医のカウンセリングを受けたところ、パニック障害と診断された。

「原因がわからないことでさらに不安になっていたので、診断がついたときはホッとしました」

 パニック障害を発症すると、動悸や胸痛、発汗、めまい、吐き気といった「パニック発作」が現れる。発作は30分程度で自然とおさまるが、慢性化すると「また発作が起こるのでは」という「予期不安」が生じるようになる。さらに症状が進行すると、電車などの閉鎖空間や人混みを恐れる「広場恐怖」に陥り、外出もままならず、日常生活に大きな影響を及ぼす。
 慶應大学医学部精神・神経科准教授の村松太郎医師は言う。

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