一方、IQとは関係ない、犬バカぶりや、バカぶりとなると、猫派もかなり飛ばしていく。散歩という披露の場がない猫派は、猫用品に散財しないと言われるが、猫が使うグッズの購入について聞くと、なかなかどうして、「たまに買う」または「浪費する」を合わせると、犬派と同レベルの30%をマークした。

 さらに「猫がモチーフになった雑貨」の購入になると、犬派を圧倒。「よく買う(14.1%)」「たまに買う(46.2%)」と、犬派のそれぞれ、4%、28%より、ずっと消費が爆発していたりする。

「犬は種類が多く、好みも分かれてしまう。一方猫好きは、人の猫も自分の猫と同じようにかわいがる人が多い。そのため心をひとつにまとめやすいと思います」

「猫部」という猫好きが集まるコミュニティーがあるのに、「犬部」がない理由を、通販会社フェリシモの広報担当者はそう話す。人気があるのは、猫のかわいい使用写真が撮れるベッドやおもちゃなど。SNSに掲載し、かわいさを競うまでが、今どきのグッズの楽しみ方だという。

 猫好きは猫デザインの商品にもけっこう散財している。最近複数の猫好きの知人に見せびらかされた、猫デザインのクッキー缶もそのひとつ。東京・都立大学の洋菓子店「アディクト オ シュクル」の通称「猫缶」だ。

 きっかけは3年前。フェーブと呼ばれる猫の小さな陶器の置物をケーキに入れて販売したところ、猫好きのハートをわしづかみに。その後、缶に猫を描いたクッキーも発売し、多いときは「これまでの店での売り上げより、多く売り上げることもあるほど」(シェフの石井英美さん)のヒット商品となった。「裏の裏を考えるから、猫との付き合いは頭を使いますね。ところでこの缶のイラストは、うちの猫がモデル。かわいい写真を何枚も送って、知り合いに描いてもらったんですよ~」とデレデレ。やっぱりね。(ライター・福光恵)

※AERA増刊「NyAERAみっけ」

[AERA最新号はこちら]