保険証書や通帳をなくしても保険契約や預金が消失するわけではないが、申請などに労力がかかる。その手間を解消するために、安全な場所に重要書類を保管できるサービスがある。イナバグループのレンタル収納サービス「イナバボックス」の担当者が言う。
「西日本豪雨などの自然災害のあとは問い合わせが増える傾向にあります。当社でも災害に備えてスマホの充電器や水、非常食などを半畳サイズのレンタルトランク(月2千円程度から)に保管しておく利用法を紹介しています」
よりコンパクトな外部収納サービスであれば、月200円から段ボール1箱を預かってくれる「minikura」がある。
寺田倉庫が「東日本大震災後に『子どもの写真など大切なものを安全に保管しておきたい』というニーズが高まったことをきっかけに立ち上げたサービス」(担当者)だ。月額250円のコースならば、段ボール箱に詰めた品物をminikuraが一点一点写真撮影し、保管データを利用者のマイページにアップ。Web上での申請だけで、必要な品物だけを取り出して送ってもらうことも可能だ。そのため「お子さんがつくった作品などの大切な品を保管するのに利用されている方もいる」(同)という。1箱あたりの補償価格は最大10万円となるため、高価な品物を保管するには不向きだが、東北地方の内陸部の倉庫で保管されるため、「地震や津波のリスクは小さい」(同)。
思い出の詰まったものを大切に保管しておきたいという人は検討されたい。(ジャーナリスト・田茂井治)
※AERA 2018年10月1日号