稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年、愛知県生まれ。元朝日新聞記者。著書に『魂の退社』(東洋経済新報社)など。電気代月150円生活がもたらした革命を記した魂の新刊『寂しい生活』(同)も刊行
稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年、愛知県生まれ。元朝日新聞記者。著書に『魂の退社』(東洋経済新報社)など。電気代月150円生活がもたらした革命を記した魂の新刊『寂しい生活』(同)も刊行
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ベランダ菜園があればインフラがストップしても新鮮な野菜な食べられる(写真:本人提供)
ベランダ菜園があればインフラがストップしても新鮮な野菜な食べられる(写真:本人提供)

 元朝日新聞記者でアフロヘア-がトレードマークの稲垣えみ子さんが「AERA」で連載する「アフロ画報」をお届けします。50歳を過ぎ、思い切って早期退職。新たな生活へと飛び出した日々に起こる出来事から、人とのふれあい、思い出などをつづります。

【稲垣さんのベランダ菜園の写真はこちら】

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 先週もチラリと書きましたが、災害時に何が大事って、それは間違いなく隣近所の助け合いだと思う今日この頃です。これは精神論じゃなくて、現実的な話です。

 北海道では、地震直後にスーパーに並ぶ人々の長蛇の列が報じられました。一種のパニック状態だったと思うのですが、冷静に考えると、例えば食べ物なら大きな冷蔵庫を備えた現代家庭ではどこでもそれなりに備蓄があるはず。冷蔵庫の電源が切れるとむしろ貯蔵品がどんどん腐ってしまうわけですから、超短期的には「余っている」状態です。

 でも一家庭だけでみると余っているものより足りないものに目がいって慌ててしまう。ここで声を掛け合える近所の知り合いがいれば、余っているものと足りないものがうまく中和されて、非常時を乗り切ることができるんじゃないでしょうか?

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