「妊娠中ということで、当然、仕事は徐々にセーブしていくでしょう。ブレーク後はずっとフル稼働で働いてきましたし、本人は真面目な性格ゆえ、結婚や妊娠ほどの大きな出来事がなければ、仕事をセーブするという選択もしにくかったでしょう。これを機に、お休みはもちろん、なかには降板する番組もあるのではないでしょうか。実際、すでに業界内ではその穴を埋める“ポスト新井アナ”の行方にも注目が集まっています」(放送作家)

 かつて人気女性アナは30歳くらいを境に第一線を離れ、結婚や子育て中心の生活に移行することも少なくなかった。それゆえ「女子アナ30歳定年説」などという、今となっては時代錯誤な言葉が流布した時期もあった。

 それが近年では年齢を重ねてからも第一線でバリバリ働ける環境が整うようになり、女性アナウンサーの活躍期間も長くなった。その一方で、激務で知られる売れっ子アナウンサーは、結婚や出産のタイミングを自分で図る必要が出てきたとも言える。

「『NEWS23』のキャスターを務める小川彩佳さんは、出産にあたり約3カ月の産休をへて復帰しました。小川さんは同番組のオファーを受けた際、番組スタッフから『小川さんがもし子を授かって、番組に帰ってきてくれるとしたら、それは新しい視野や視点を身につけて、より強くなって帰ってきてくれるということ。それは番組にとってプラスのことだと思う』という言葉をもらったことを明かしています。また、夕方のニュース番組『Live News it!』のキャスターを務めていた加藤綾子さんも、家庭の時間を優先することを理由に昨年9月から休業状態に入っています。加藤さんは、長年共演してきた明石家さんまさんに『要するに妊活やな?』と聞かれて『そうですね』と答えていることから、今は仕事よりも妊娠、出産を第一に考えているのでしょう。新井さんもそうですが、人気アナウンサーも妊娠のタイミングを自分の意志で選択できるようになったことは、とてもいい傾向だと思います」

 人気アナウンサーでも「妊娠」や「妊活」を堂々と言える時代。ママとなった新井アナが、またキャスターとして復帰する姿も見てみたい。

(立花茂)

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