


食事に気を遣うのは、体を使うアスリートばかりではない。芥川賞作家の羽田圭介さんは日々、高タンパクな食生活を実践。芥川賞受賞時のベスト体重に戻すべく、目下ダイエット中だという。その食生活を聞いた。
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原則、食事は毎日ほとんど同じだというのは、芥川賞作家の羽田圭介さんだ。
最近の夕食は「ハンバーグ」。冷蔵庫からパック詰めされたひき肉514グラムを取り出し、半分をつかみ取る。両手でバウンドさせて空気を抜き、楕円形に整える。みじん切りした玉ねぎもパン粉も入っていない。塩とこしょうで味付けはするが、楕円形のそれはひき肉の塊だ。そのままフライパンで焼く。
「チーズや焼き肉のたれをかけて食べます。味を変えれば飽きることはありません」
羽田さんの食事へのこだわりは、「手間をかけず、タンパク質などさまざまな栄養をとり、筋肉量を下げない」こと。ハンバーグの添え物には、蒸したブロッコリーとブナシメジ。ブロッコリーは栄養価が高く、腹もちがいい。腸内環境を整えるため、不溶性食物繊維が豊富なキノコ類をとる。高タンパクな肉や魚を積極的にとり、スポーツジムへは週3回ほど通っている。
決して料理好きではない。外食は「手間がかかる」と考える。
「外食は油や砂糖を大量に使っていてカロリーが高いものが多い。その余分なカロリーを消費するために運動をするのが面倒。そもそも、食事をするたびに外出しなければなりません」
手間をかけたくないから、毎食違ったものは作らない。作り置き可能で、大量生産できるものを作る。芥川賞受賞時に食べていたのが鳥ハムだ。一度に4キロの鶏肉を買い、塩と砂糖で味付けし、ゆでたものを冷凍保存してほぼ毎食食べていた。
「低カロリーで、高タンパク。おいしいし、冷凍保存しても味の落ちない健康食です」
食事を語るうえで欠かせないのが、タンパク質への強い意識。高校時代は友人たちとハンバーガーショップに出かけても、
「友人がジュースやフライドポテトのついたセットメニューを頼むなか、ハンバーガーを三つ注文したりしました。ただ、添加物は平気で摂取していて、栄養バランスに関しての知識は備えていませんでしたが」