
格闘技大会「PRIDE」が旗揚げし、注目を集める女子格闘技。選手の中にはその魅力にとりつかれ格闘家になった人もいる。
36歳の富松恵美さん、30歳の石岡沙織さんが「現役生活の集大成」を考える一方で、40歳を超えて王座に君臨し続けている選手がいる。DEEP JEWELSアトム級王者の黒部三奈さんだ。
黒部さんが格闘技を始めたのは32歳の時。コンピューターグラフィックスの仕事で陥った運動不足を解消する目的でフィットネスジムに通い始めたが、「もうちょっと身につくものをやりたい」という思いから格闘技ジムの会員になった。
「最初は“週1会員”だったんですよ。でも通ってるうちにだんだん楽しくなって、1~2カ月でフル会員になりました。インストラクターの応援に行って試合をする姿を見て、『もっとちゃんとやろう』と思ったこともあって」
小さい頃から『ドラゴンボール』が好きで強くなりたいという潜在的な願望は持っていたという黒部さん。それでも最初は試合に出る気などなかったが、打撃なしのアマチュアの試合に誘われて出場。勝てばうれしい、負ければ悔しい……を繰り返し、完全にハマった。MMAの試合にも興味があったが、選手数が少なくアマチュアではなかなか機会がなかったため、35歳にしてプロの道を選んだ。そこからコツコツと勝ち続け、17年2月には12戦目にしてベルトまで辿り着いた。