山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師
山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師
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 日々の生活のなかでちょっと気になる出来事やニュースを、女性医師が医療や健康の面から解説するコラム「ちょっとだけ医見手帖」。今回は「5類に移行するコロナとこれからの日常生活」について、NPO法人医療ガバナンス研究所の内科医・山本佳奈医師が「医見」します。

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 世界保健機構(WHO)が新型コロナウイルス感染症を世界的な大流行とみなせると表明したのが2020年3月11日。コロナパンデミックも4年目に突入したことになりますが、日本政府は「2類相当」に分類していた感染症法上の分類を、来月の5月8日には「5類」に移行することを決めています。

 5類感染症とは、「感染力や重篤性などに基づく総合的な観点からみた危険性が最も低いとされるもの」です。季節性インフルエンザ、麻疹や風疹、感染性胃腸炎やRSウイルス感染症など、一般的な感染症が「5類」に分類されています。つまり、新型コロナウイルス感染症は、「感染した時の重篤化など危険性が高い感染症」から、「一般的な感染症の一つ」として認識されることになるというわけです。

 5類引き下げに伴い、感染者や濃厚接触者の外出自粛要請を含む行動制限や、検査や治療など医療費の負担など、今まで実施されていたコロナ対策は大きく変わっていくことになります。それに伴い、私たちの日常生活も変化していくことになるのは間違いないでしょう。

 アメリカでも、2022年3月に出された公衆衛生上の緊急事態宣言が、来月の5月11日に終了となる予定です。それに伴い、新型コロナウイルス対策チームも解散する予定であることが報じられています。「新型コロナが私たちの生活を混乱させることはもはやなくなったが、コロナ感染症は終わっておらず、コロナ対策が政権の優先課題であることに変わりない。緊急段階からの移行は、新型コロナ対応における自然な展開だ」と政府関係者は述べています。

 そんなアメリカにおけるコロナパンデミックの収束に関する考えや、コロナによる生活影響に関する現状が、3月末に報告されましたので紹介したいと思います。

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アメリカ世論調査コロナは「終わることはない」が半数