利用者の一人、東京都在住の有田さん(女性)は、小学5年生の長女と1年生の次男のために申し込んだ。この3月に4年間滞在したフィンランドから帰国し、大急ぎで学校準備を進めるなか、「長女は卒業まであと2年。今から新しいランドセルを買うのはもったいない、と躊躇したんです。ネットで中古品を探していましたが、なかなかこれと思うものが見つからず、たどり着いたのがこのサービスだったんです。まさにわが家のためにあるサービスという印象で、とてもありがたい思いです」
きれいなランドセルを諦めていたという長女本人も、「ランドセルを選ぶ楽しみまでできて、とても嬉しい」と思いがけない展開をとても喜んでいるという。
「この先また海外転勤の可能性がありますので、次男も利用することにしました。中古品も検討したのですが、1年生ですので、まわりが真新しいランドセルを背負うなか、やはりかわいそうかなという思いもあって。新品のランドセルを貸していただけるのも決め手の一つでした」と、有田さん。
長女が通っていたフィンランドの学校では、ランドセルのような指定カバンはなく、自由に選んだバックパックで登下校するという。教科書やノートは学校に置いておく置き勉スタイルなので、中身はほぼ空っぽ。また、長い冬の寒さをしのぐ必要から、もの選びの際にも日本のようにファッション性を意識するというよりは、機能重視の考え方になったという。そのせいもあり、「軽さや機能を見て、2人ともモデルを選びました。あらかじめ選択肢があるのは助かります。一から自分で探すとなると、慣れていないので本当に大変だったと思います。まずは、自分が一度決めたものを大切に使い続けてほしく、使いやすさから気になるタイプがあれば、交換を考えるかもしれません」
さらに、「フィンランドでは、共有するシーンが結構あったんです。筆箱すら持って行く必要がなく、学校の鉛筆を皆で使うんです。そのスタイルに慣れていますので、ランドセルを借りることに抵抗はなく、受け入れやすかったというのはあります。自分のものを大切にというのは教えやすいものですが、このサービスは、みんなのものを大切に使うという意識を育てられ、そこにも意味があると考えています」