今や小学校入学前の年の5月に、ランドセルを購入する家庭が増えている。人気モデルは早々に売り切れるなど“ラン活”が激化するなか、「サブスク」サービスが話題を呼んでいる。今年2月中旬、ランドセル事業を展開する大阪・コクホーが始めた「RandS」だ。どんな家庭がサービスを導入しているのか? 実際に利用を決めた家庭の声を聞いてみた。
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サービスを思いついたコクホー専務取締役の庄山理恵さんは、ショップに訪れるお客さんとの会話がきっかけだったと話す。
「ランドセル選びに皆さん疲れている様子だったんです。早い時期に選ぶと好みが変わるのではないかという不安、たくさんの種類があるなかで一つを選び抜く大変さ、かといって迷っていると売り切れてしまうという焦り。もっと自由に楽しく、安心して選んでいただきたいという思いが強くなりました」
同社では百貨店への卸業とともに、自社オリジナルのランドセルを製造している。今回のサブスクは、コロナ禍で発生した余剰在庫を生かしたサービスだ。デザインや機能それぞれに特性がある250種類ものラインアップが強み。ラン活激化の背景には 選ぶ側の“こだわり”の目があるわけだが、「年々ランドセルの購入価格帯が上がっているなか、今の主流は5万~7万円です。そのボリュームゾーンに合った豊富な品ぞろえになっていますので、納得いただけるはずです」
サービス開始からわずか2カ月ほどで、300件以上の注文が寄せられたという。3コースあるうち人気は月額990円のバリューコースで、3カ月ごとに50種類から好きなモデルに交換できるプランだ。3年同じプランを継続すれば無料進呈され、気に入れば買い取りも可能だ。
「入学の初期費用のうち、15~30%をランドセルが占めるといわれています。このサービスは初期費用を抑えることができ、交換しながら自分にぴったりくるランドセルに出合える体験にもなります」
4月目前の駆け込み注文も多く、迷ってぎりぎりまで決めきれないでいた、小学校受験でランドセル購入が遅れてしまった、と家庭によって利用する理由はさまざま。なかには、帰国子女という事情もあるという。