奈良市在住の佐藤さん(仮名・女性)も、サービスに助けられたという。この春、双子の女の子と男の子が入学式を迎えた。学校は、ランドセルでもリュックでもよいという決まり。
「学校が遠くランドセルは重くて大変そうという理由で、子どもたち自らリュックを選びました。ところが、入学式が近づいてきたタイミングで、娘が突然、ランドセルが欲しいと言い始めたんです。娘だけ準備しては喧嘩になってしまうので、ならば息子もと、慌てていたときに見つけたサービスでした」
「一度に二つのランドセルを買うという家計の負担を考えると、とても助かりました。とりあえずランドセルを使ってみて、リュックに変わる可能性があるというわが家の状況にもマッチし、ありがたいと感じました」
注文の翌日には届き、ほっとしたという佐藤さん。入学を喜ぶ祖父母も、そんな便利なサービスがあるのかと驚いていたという。大急ぎの手配であったため、最初のモデルは親が選んだものの、「豊富な種類にも魅力を感じています。今度交換をするときは、子どもたち本人のセレクトを優先します」
コクホーの庄山さんは、このサービスにある思いも託している。
「ランドセルには130年もの歴史があり、小学生になる節目とともに寄り添ってきたものです。今、重さの負担から不要論も出てきていますが、実はランドセル自体は1000~1500グラムほど。詰め込む物の多さが重さの理由だったりもします。成長過程におけるお子さんへの健康配慮、機能性や安全面の改良も重ねられています。このサービスを気軽に利用して実際に使ってみることで、ランドセルの良さを体感してほしいと思います」
一つのランドセルの寿命は10~15年ほど。6年間で役割を終えるのはもったいなく、サブスクサービスは、その先へとランドセルの良さを利用者同士でつなげていくことになる、そんな提案でもあるという。
(AERA dot.編集部・市川綾子)