アラフォーで初めて迎える出産と育児は戸惑いと不安でいっぱい。仕事に没頭してきた人にとっては、仕事と育児との両立が課題となるが、どうすればうまくいくのか。
ゲンナイ製薬の塚本真澄さん(39)は昨年、第2子を出産。妊娠中に切迫流産の可能性があり、1カ月半自宅で安静に過ごした。週1回の通院のたびに、上司である社長に自分の体調について報告メールを送り、働くことに対しての意欲を示した。職場復帰後も以前と同じ仕事ができて、満足している。
だが、出産後は思うようにいかない育児で、職場復帰が不安になったり、仕事へのやる気が下がったりする人もいるだろう。女性のキャリア支援を行うハナマルキャリア総合研究所代表の上田晶美さんは退職、転職は慎重に、と話す。
「育休中に職場復帰が不安になる人もいると思いますが、今の仕事を辞めるかどうかは、一度復帰してから考えてみてください。一度仕事を手放してしまうと、アラフォーで小さい子どもがいる女性の就職はたやすくありません。今いるポジションの価値をよく考えてから行動するほうがいいでしょう」
育休中の最重要課題の一つが、保活だ。冒頭にも示したが待機児童の数は年々増えている。保育園事情は住む地域によって異なるため、情報が第一だ。育休中、もしくは妊娠してからすぐにでも、役所や地域の知人を頼って調べておいたほうがいい。
入園選考では、細かな基準は自治体ごとに異なるが、基本は「両親ともにフルタイム勤務」で満点。だが、近年は「満点」でもなかなか認可保育園には入園できない。同点で並んだ場合は世帯年収が低い家庭が優先されることもある。東京都練馬区在住で、5歳と2歳の娘がいる43歳の管理職の女性は言う。
「年齢が高いと年収もある程度高い。保活では相当不利で、苦労しました」
この女性が入園申請前に、0歳だった長女を抱えて区役所の窓口に通っていたときのこと。年収ごとに違う保育料の階層表を手にした区の職員が、「保育料の区の平均はこのあたりです」と言って、2万円付近(3歳未満児)を指した。一方、女性の世帯年収は1千万円台後半で保育料は6万円弱。「うちの優先順位はそんなに低いのか」と愕然とした。