W杯開幕当日、モスクワ中心部のクレムリン近くの広場にあるカウントダウンボードの前では大勢の観光客が訪れ記念撮影をしていた(撮影/スポーツライター・栗原正夫)
W杯開幕当日、モスクワ中心部のクレムリン近くの広場にあるカウントダウンボードの前では大勢の観光客が訪れ記念撮影をしていた(撮影/スポーツライター・栗原正夫)
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日本代表の試合日程と対戦相手(AERA 2018年6月25日号より)
日本代表の試合日程と対戦相手(AERA 2018年6月25日号より)

 首都モスクワで行われた開幕戦では地元ロシアが、サウジアラビアに5-0と勝利。最新のFIFAランクで70位に沈んでいたロシアは出場32カ国中最下位で、“史上最弱のホスト国”とのレッテルを貼られていたが、見事な快勝で1次リーグ突破に向けて弾みをつけた。

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 大会を盛り上げるためには開催国の躍進は欠かせないだけに、ロシアの勝利は世界中のサッカーファンにとっても朗報となったことだろう。一方で、同じアジア勢で最終予選ではサウジアラビアと1勝1敗だった日本としては、他人事ではない。前回のブラジル大会では、アジアから出場した4カ国(日本、韓国、オーストラリア、イラン)はすべて1次リーグで敗退しているが、その流れが変わっていないことを印象づける結果でもあったからだ。

 その日本代表は19日に強豪コロンビアとの初戦を迎える。2日に日本を発ったチームはオーストリアで事前キャンプを張り、2試合のテストマッチを行った。8日にはW杯に出場するスイスに0-2と敗れたものの、12日には南米予選敗退のパラグアイに4-2と逆転勝ちし、西野朗監督就任後3試合目で初白星となった。

 興味深かったのはハリルホジッチ前監督体制時から5試合勝ちがなく停滞していた日本が、スイス戦からパラグアイ戦に向かう中で先発メンバー10人を入れ替える荒療治で、好結果を呼び込んだこと。久しぶりに先発したFW乾貴士、FW武藤嘉紀、MF柴崎岳らが躍動し、コンディションが心配されたベテランのMF香川真司、FW岡崎慎司らも状態が上向いてきたことをアピールした。勝利はチームのムードも明るくし、どん底の状態からは脱した感があるだけに、あとはパラグアイ戦同様、本番でいかに西野監督が思いきった采配を振るえるかが結果を左右するカギになりそうだ。

 さて、筆者も開幕前日の13日からロシア入りしているが、モスクワには続々と世界各国から観戦者が集まっている。それぞれ自国の代表のユニフォームや民族衣装などに身を包んだファンやサポーターの存在は、W杯を盛り上げる上で欠かせない。開幕戦当日も、試合には直接関係ないが、モスクワ中心部のクレムリン近くの広場では、サポーターが“応援合戦”を繰り広げていた。

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