サッカー日本代表メンバーが西野朗監督によって発表された。賛否両論あるようだが、専門家はこれをどう見ているのか。98年フランスW杯に出場した「野人」こと岡野雅行さんに話を聞いた。
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日本代表の問題点というと、誰もが「決定力不足」を挙げます。でもそうじゃない。今の日本に足りないのは、決定力ではなくチャンスです。チャンスをつくれないのだから、点を取れるはずがありません。
ガーナ戦でも、キーパーと1対1の場面はほとんどありませんでした。仕掛ける人がいないからチャンスが生まれない。やみくもにサイドから放り込んだり、遠い位置からの中途半端なシュートを跳ね返されるのは、決定力不足とは言いませんよ。
宇佐美や原口、長友らサイドの選手には、覚悟を決めて勝負してほしい。サイドから相手のディフェンスラインをえぐることができれば、真ん中からの攻めにも可能性を見いだせます。
本田・香川・岡崎の3人にも期待したいですね。彼らの役割は、決定機を確実にものにすること。それができる経験があるはずです。さすがと言わせるプレーを見せてほしいと思います。
そして、日本が本大会で勝負するのにいちばん必要なのは、前へ向かう姿勢です。泥臭くゴールに向かう姿を見せ続ければ、相手もひるみます。そうして日本のペースに巻き込むことで、チャンスはくるはずです。
もうひとつ言いたいのが、カッコつけるなということです。トリッキーなプレーをしたり、技を見せようとしたりするのではなく、愚直に基本を追い求めてほしい。カッコいいヒールパスなどいりません。余計なことをせず、しっかりトラップし、確実にボールを出す。それができれば簡単には負けません。
ド派手なプレーではなく、堅い試合を見せてほしいですね。
(構成/編集部・川口穣)
※AERA 2018年6月11日号より抜粋