望月 篤さん(52)/大和証券グループ本社 CHO(最高健康責任者) 人事担当 常務執行役。1988年に大和証券入社。営業職、支店長、営業企画部長、人事部長等を経て現職。CHO(最高健康責任者)として東京マラソン2017、2018を2年連続完走した健脚の持ち主(写真:写真部・小原雄輝)
望月 篤さん(52)/大和証券グループ本社 CHO(最高健康責任者) 人事担当 常務執行役。1988年に大和証券入社。営業職、支店長、営業企画部長、人事部長等を経て現職。CHO(最高健康責任者)として東京マラソン2017、2018を2年連続完走した健脚の持ち主(写真:写真部・小原雄輝)
この記事の写真をすべて見る

 会社人生は60歳の定年から嘱託等で65歳までが一般的だったが、今の会社でそのまま生涯現役という選択肢も出て来ている。

「長年勤めてきた会社で70歳、80歳まで充実して働ければ、それに越したことはない」という人も多いはずだ。

 昨年6月、70歳が上限だった営業員の雇用上限年齢を廃止したのが大和証券グループ本社。この人事制度の責任者である望月篤さんは、CHO=最高健康責任者という役職も兼ねている。

「雇用上限年齢を廃止したことで、社員のキャリアへの考え方や仕事への取り組み方が変わってきたと強く感じています」

 望月さんをはじめ経営陣が意識したのは、単に長く働けるだけでなく、ベテランの社員にスキルアップしてもらうための仕組みの充実だった。45歳以上の社員を対象にライセンス認定制度を導入。1科目5時間から15時間に及ぶ「eラーニング研修」を40科目ほど用意し、スキルが向上した社員、より高度な資格を取得した社員を処遇面で優遇する仕組みだ。プログラムの中には健康リテラシーの向上を目指す科目も用意されている。

「証券業の場合、相続や資産運用ニーズの高い高齢のお客様も多く、お客様と共に年を重ねていけるベテラン営業員はお客様にとっても安心感があります。年齢を重ねても、長く働くための基本は『健康』です。ですから当社では、社員に健康リテラシーを高めてもらい、元気に長く働いてもらいたいのです」

 雇う側からすれば成長が止まった人間より、スキルアップに余念がない人、そして健康な人に長く働いてほしいのは当たり前の話。今の会社で働き続けるために、自分のスキルを時代に応じて成長・変化させることが大切だろう。転職や起業だけがジョブチェンジではないのだ。(ライター・中島晶子、安住拓哉)

AERA 2018年4月2日号より抜粋

暮らしとモノ班 for promotion
もうすぐ2024年パリ五輪開幕!応援は大画面で。BRAVIA、REGZA…Amzonテレビ売れ筋ランキング