
アーティストの三浦大知さんがAERAの表紙に登場。パフォーマンスや自身の活動への思いなどを聞いた。
和製マイケル・ジャクソン。神ダンス。そして、希代のエンターテイナー──。
沖縄で通っていたダンススクールでその才能が注目され、9歳の時、ダンスボーカルユニット「Folder」のメインボーカルとしてデビュー。以来、この人にはさまざまな枕詞がついた。
が、自身を説明するとしたら?の質問にはあっさり、「歌って踊る人」。
「とにかく歌とダンスが好きで、歌って踊る人、ですかね。きっとそんなシンプルなことのような気がします」
変声期の活動休止を経て、2005年にソロで再デビューした。実力派として認知されながら、なぜか爆発的と言えるようなブレイクはなかった。着実に上ってきた階段が一定の高さに到達したのが昨年から今年にかけて。紅白出場、武道館2days、ベストアルバム発売とその集大成を見せつけた。
特定の一曲がヒットしたというよりは、三浦大知の歌と踊りの魅力にみんなが気づいた、と言うほうが近いだろう。紅白で披露した、音楽がない状態でダンサーたちと完全に動きを合わせる「無音シンクロダンス」もその一例。緩急あるダンスの美しさに息をのみ、歌い出せばその圧倒的な歌唱力に聞きほれる。
ソロのアーティストのはずなのに、インタビューでは「チーム三浦大知」という言葉を何度も口にした。
「一人でできることなんて一個もない。ステージに上がれば、照明が当たります。その照明だって誰かが当ててくれている。聴いてくださる方がいて、ライブ会場があって、そこでライブをすることで三浦大知っていうプロジェクトが一段ずつ上がっていける」
三浦大知というエンターテインメントが行き着く先は、本人でさえ、
「いやー、わからないですね」
ではこれからも、「未完の最高傑作」を楽しもう。(編集部・高橋有紀)
※AERA 2018年4月2日号