障害は人ではなく、社会の側にある。それをなくしていくことが目標だ。17年3月期の売上高は約87億円。
「ビジネスはあくまで手段。うまくやりたいという願望は0(ゼロ)」
と言い切る長谷川さんだが、上場したことで信頼度が上がり提携話も舞い込むなど、チャンスは圧倒的に広がった。何よりうれしかったのは、利用者から「不思議だけど自分たちが認められた気分になりました」と言われたことだ。
長谷川さんは、
「なんでこれっぽっちのことしかできないんだと歯を食いしばる毎日ですが、僕たちががんばることで、障害のある方が社会から認められる一助になったり、株主になるなど利用する以外の方法でも関わってくれたりするのがうれしい」
と話し、こう続けた。
「一人では、一社では、社会を変えられない。リタリコが自己犠牲ではなく『ビジネス』としての持続可能性を示すことで、障害者支援はニッチな市場でビジネスとして成り立たないと尻込みしていた人や企業にどんどん参入してほしい」
(編集部・竹下郁子)
※AERA 2018年2月5日号より抜粋