──本に出てきますが、20歳の時に父の康夫氏から「政治家は継ぐ仕事じゃない」と言われたそうですね。
自分自身、政治家になるつもりはまったくありませんでした。(大卒後就職した)商社の仕事はやりがいがあったし。だけど、父が官房長官の時、政務秘書官をしていた方が病に倒れてしまったんです。それで臨時で手伝い始めたのが政治に関わるきっかけです。地元にも通い出して、やってみようと思うまで7年かかりましたが、その時にも、父には相談しませんでした。
──お父さんが選挙区に応援に来たことは。
今回(2017年)初めて選挙中に来ました。それも政治一般に関するシンポジウムに出ただけで、街頭演説はもとより、「選挙の応援」はないですね。
──農林部会長代理は進次郎さんから指名されたそうですね。
食料問題が大事だと思っていたので農林部会には時々顔を出していましたけど、自分の専門としてはずっと中小企業・小規模事業者政策をやっていたので。一からのスタートでした。
──何で達夫さんが指名されたんでしょうね?
部会長に聞いてください(笑)。もちろん顔は知っていたけど、親しく言葉を交わすほどでもない。政治家としては向こうのほうが先輩だし。
進次郎氏は達夫氏起用の理由を本の中で「輝くところというか、普通に国会で見ていても、目を引く」存在感があるからだと語っている。36歳で当選4回の進次郎氏に対し達夫氏は50歳で当選3回。ちなみに、純一郎氏(76)と康夫氏も康夫氏が6歳上だ。進次郎氏は米国の大学院を経て民間企業に勤めることなくそのまま父・純一郎氏の秘書になり、政界入りしたのに対し、達夫氏は父・康夫氏同様、三菱商事で会社員経験をした後に父の秘書に。康夫氏が首相時代、達夫氏は政務担当の首相秘書官を務め、父の引退後、衆院群馬4区の後継となった。
──かつて農家は自民党の堅い支持基盤でした。しかし16年の参院選では東北の選挙区で旧民進党の勝利が目立つなど、揺らぎが目立ちます。そんななかの今回の改革は、何をめざしたのでしょうか。