根幹は、猫の目農政を排除するということです。政治が横から口出しをして、ちょこちょこ変わるのではなくて、あるべき農政の「一本道」をつくりたかった。具体的には、農業者がどんどんいなくなっている。これは本当に深刻で、今、農業従事者の平均年齢は67歳。若い人に入ってきてもらうには、稼げるようにしなくてはならない。そのためには政治も農業者も消費者も変わる必要がある。
──といっても、全部の農家が改革についてこられるんでしょうか。
稼ぐために「攻めの農業」をめざすからといって、いま農業をやっている方たちが“自分たちにそれは無理だからやめる”だと困る。このバランスをどう取るかが難しかったですね。
──進次郎氏のことを「部会長」と呼び、進次郎氏からは「達夫さん」。進次郎氏との関係は、父親同士の関係に似ていますね。
似ていると思いますよ。だから機能したところもあると思う。自分も年上だし、おやじの苦労がわかるなあ、って思いました。
──康夫氏と純一郎氏の関係を言葉で表すと?
プロの上司と部下。
──では達夫さんと進次郎さんの関係は?
農林部会の頃は上司と部下でしたが、これはもう終わりました。いまは兄弟というか……同志的で、親愛の情はあります。誰かが彼の悪口を言っていると、むかっときます(笑)。
(構成/朝日新聞編集委員・秋山訓子)
※AERA 2018年1月29日号