「インドなど、この技術に関心を寄せる国がたくさんあります」

 干ばつや雨量の少なさから水不足が深刻な課題だったが、現在は国内の飲料水の55%を海水淡水化によって得ている。水管理の最先端技術で80%もの水を再利用しており、巨大なプラントがあるほか、「ウォーターテック」と呼ばれる水関連のスタートアップ企業も多い。

 一方で日本との協業が期待されるのが、自動車関連だ。

「イスラエルのスタートアップは、車に関連するスマートテクノロジー分野でも目立ちます。日本の自動車メーカーと、競争関係ではなく補完関係になれる。一例がモービルアイ社です」

 この会社は研究開発の拠点をイスラエルに置く。高度な画像認識技術を用いて、前方の車や歩行者、車線などを検知し警告する先進運転支援システム(ADAS)は、ボルボやBMWなど欧州の自動車メーカーが導入。昨年8月には米インテルに153億ドル(1.7兆円)で買収されたことも記憶に新しい。

 こうしたスタートアップが育つ背景の一つに軍の存在がある。

次のページ