

選考に難航を極めていた平昌五輪の女子フィギュアスケート代表の2枠が、宮原知子と坂本花織に決まった。彼女たちは五輪をどう戦うのか。
女子の2枠は、「全日本選手権の優勝者」が1枠。2枠目は「これまでの総合成績で判断」とされていた。
エースの宮原知子(19)は、14年以降の全日本選手権3連覇。15年世界選手権で銀メダルも獲得しており、五輪のメダルを狙える逸材だが、17年1月に疲労骨折が判明。4月に練習を再開したが、他の場所に痛みが出て、練習再開と中断を繰り返していた。
「たくさん試合に出れば安心感はある。でも全日本選手権にすべてをかける。そういう勇気が今の私には必要。乗り越えられればもっと強くなる」
宮原はこう割りきると、シーズン初戦を11月に設定。他の選手が9月から大会に出てアピールするなか、12月下旬の全日本選手権で初めてピークへと持ち上げるスケジュールを組んだ。
「10月にジャンプを始めた時は、うまくいかなくて不安な時期もありました。でも絶対に平昌五輪をあきらめるつもりはありませんでした」(宮原)
11月のNHK杯のSPではスピードもなくジャンプもミスしたが、翌日のFSではスピードが増し、スケートアメリカでは「3回転+3回転」の連続ジャンプを成功。GPファイナルはSPでパーフェクトの演技をみせ、手応えをつかんだ。全日本選手権ではSP、FSを通じてすべてのジャンプを降り、国内記録ながら自己ベストを上回る220.39で4連覇を達成した。「ミス・パーフェクト」の復活だった。
このまま調子を上げていけば、平昌五輪では十分にメダル圏内。本人も、
「スケートが楽しいというのが演技からあふれ出るような滑りをしたい」
と誓っている。
代表選考の「台風の目」となったのが坂本花織(17)だ。シーズン前半は、国際大会でも160点台や170点台で選考圏外。GPシリーズロシア杯も5位に終わり、10月末の時点では7人いた候補の5番手以下だった。