完全自動運転のEV アイサンテクノロジー、ティアフォーなど/純国産4人乗りの完全自動運転車。最高時速20キロ。個人利用よりも、移動サービスを行う事業者向けを想定している(写真:ティアフォー提供)
完全自動運転のEV アイサンテクノロジー、ティアフォーなど/純国産4人乗りの完全自動運転車。最高時速20キロ。個人利用よりも、移動サービスを行う事業者向けを想定している(写真:ティアフォー提供)
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 ライドシェアやパーソナルモビリティー──。2018年は、移動手段が大きく変わりそうだ。その実現のカギとなるのは、やはり「自動運転」だ。

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 自動運転車は、過疎地などの交通サービスを担うほか、都市部ではこれまでタクシーを利用しなかった人にも移動の自由を提供できるようになると期待されている。

 12月中旬、愛知県は全国に先駆けて公道で「レベル4」の自動運転の実証実験を始めた。レベル4とは、運転席に運転手を乗せずに走る自動運転レベルだ。

 この自動運転車を開発した名古屋の企業で測量ソフトを手がけるアイサンテクノロジー、名古屋大学発ベンチャーで自動運転システムを開発するティアフォーなどは、完全自動運転の電気自動車(EV)「マイリー」を開発した。マイリーで目指すのは、ラストワンマイルのライドシェアなどの移動サービスだ。

 マイリーはハンドルもアクセルもブレーキもない。自動的に目的地まで移動するため、運転手は必要ないのだ。

「純国産の完全自動運転車はこれが初めて」

 とティアフォー創業者で東京大学大学院准教授の加藤真平さんは胸を張る。

 車体本体は、ヤマハ発動機が販売している4人乗りのゴルフカートをベースにした。車体のルーフトップには、自動運転のために周囲の環境情報を取得するセンサーがついている。ぽっこりとした流線形の外装は、3Dプリント事業のカブクが手掛けた。

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