人気YouTuberの鰐さん。自身のチャンネルではいつも敬礼のポーズから始まる(撮影/上田耕司)
人気YouTuberの鰐さん。自身のチャンネルではいつも敬礼のポーズから始まる(撮影/上田耕司)

「小学生の頃からゴジラや怪獣が好きだったんです。現代の生き物の中で、一番怪獣っぽいのって爬虫類じゃないですか。だからずっと好きな気持ちはあったんですが、爬虫類は値段が高いので、ちょっと手を出せずにいたんです。でも会社員時代に一度飼い始めたらタガがはずれて、一気にどんどん飼い始めて、こんなになっちゃいましたね」

 最初に飼った爬虫類はトカゲだったという。

「最初はフトアゴヒゲトカゲというトカゲを飼い始めて、ヘビ、カエルなど、爬虫類の販売イベントへ行くたびに買うようになりました」

 海外の爬虫類の生息地、ペルーのアマゾン川やオーストラリアへも出かけた。

「アマゾン川には、電気うなぎ、毒針のあるエイ、大きなヘビやワニもいますが、手放しで遊べるわけではないですね。血の匂いするとピラニアが寄ってくることもありますし。オーストラリアには、かまれたら病院へ行くまでに死ぬから諦めろ、と言われている毒ヘビもいるんですよ。日本で毒を持ったヘビはマムシとヤマカガシくらいですから、そう考えると日本は安心して遊べますね」

 YouTubeを始めたのは約10年前。「どうも鰐です」と言いながら、敬礼のような動作をして始まるのがお約束だ。

「もともと警備員だったので、敬礼のつもりだったんですが、それがだんだんと速くなってきちゃって(笑)。最初は、趣味で飼っていた生き物の動画を適当にアップしていたんですよ。それが5年くらい前からガツンとヒットするようになって、収益化できるようになった。じゃあ本格的にやろうかと思って始めたのが、今のチャンネルです。生き物系YouTubeは、出演している人間ではなく、生き物を見たいから視聴者が来てくれるんです。自分が人気者だと勘違いして、自分を前に出しすぎてダメになったYouTuberも見てきたので、とにかく生き物を見てもらえる動画にしていきたいですね」

 爬虫類を飼うことで人生が変わった鰐さんのこだわりが詰まった爬虫類館。これからどんどん話題になりそうだ。

(AERA dot.編集部・上田耕司)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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