希望の党への「追い風」がやんだという。風頼みが期待できないなら、選挙で試されるのは、 各候補者の「地力」のみ。はたして、有権者が真の“希望”を託せるのは誰か。
【フォトギャラリー】希望の党「出身別」候補者リストから見えるもの
朝日新聞が10月10、11両日に行った序盤情勢調査で、自民党が単独過半数(233議席)を大きく上回る一方、台風の目である希望の党が伸び悩んでいることがわかった。公示前勢力の57議席を上回る可能性はあるが、代表の小池百合子東京都知事のおひざ元の東京でも苦戦している。他紙でも同様の調査結果となった。
その原因を政治ジャーナリストの野上忠興氏はこう分析する。
「小池氏の『排除の論理』が有権者に傲慢(ごうまん)に映ったことに加え、公認された新顔の候補者がいかにも急ごしらえの印象です。国政を託すに足るのか、有権者をして躊躇させるのでは。結果、民進党出身の前・元職は相当程度通るでしょうが、小選挙区での新顔の勝ち上がりはあまり期待できないのではないか」
候補者は単独過半数をぎりぎり上回る235人。比例単独37人、小選挙区と比例の重複が197人、細野豪志氏(静岡5区)は比例重複なしでの出馬となった。小池塾や若狭勝氏が主宰する政治塾出身者が多いとはいえ、短期間でよくぞかき集めた、という印象だ。
候補者を分類すると、大きくは「民進党出身」「日本維新の会出身」「自由党出身」「希望の党オリジナル候補」に分けられる。憲法改正や安全保障法制で“踏み絵”を踏ませたとされる「民進党出身」は前原グループ、旧細野グループや旧「維新の党」出身者など保守系の議員が多い。民進党幹事長を務めた大島敦氏(埼玉6区)や、「モリカケ問題」の国会質問で目立っていた宮崎岳志氏(群馬1区)、福島伸享氏(茨城1区)、今井雅人氏(岐阜4区)、玉木雄一郎氏(香川2区)らも名を連ねる。その一方で“踏み絵”を踏まずに無所属で出馬する野田佳彦氏(千葉4区)のグループに属していた議員も少なくない。