最近では、やはり神戸の『イニエスタ&古橋亨梧』だろう。2018年5月、当時34歳で来日したイニエスタ。ボールテクニックとゲームメイク能力は依然として世界トップクラスで、中盤で相手のプレスをいとも簡単にいなしながらボールを運び、常にピッチ全体を把握した。その「超一流」に導かれる形で“覚醒”したのが古橋。高校、大学と決して注目された存在ではなかったが、J2・岐阜から2018年8月に神戸に加入すると、イニエスタのリズムにいち早く呼応して“師弟コンビ”を結成。鋭く動き出した古橋の足元にイニエスタから絶妙なパスが幾度となく届けられ、2018年(13試合5得点)から、2019年(31試合10得点)、2020年(30試合12得点)、2021年(21試合15得点)と得点力をアップさせながらゴールゲッターとして才能を開花。日本代表デビュー、セルティックでの活躍へと繋がった。

 ここに挙げた6つ以外にも、多くの「名パサー×名ストライカー」がピッチを彩ってきたJリーグ。今後、彼らを上回る名コンビは誕生するのか。時代とともにチーム戦術も変化、発展し、よりチーム全体で組織化されてきたが、それらを凌駕する強烈なホットライン開通を期待したい。(文・三和直樹)