クレジットカード被害件数がいま、過去最高に達している。カードの不正検知システムの開発を手がける企業の調べによると、2022年のクレジットカードの情報流出件数は84万件を超え、過去最高を記録した。コロナ禍でネットショッピングの利用が増えたことや、不正に使われる金額が数百円から千円単位と少額で、消費者も不正利用に気づかないという。被害の状況と最新の不正手口をリポートする。
【写真】クレジットカード情報の販売を持ちかけているとみられる書き込み
「知らぬ間に2千円ほど利用されていました。怪しいサイトで使ったことは一切ないのに……」
IT企業に勤務する東京都在住の男性(27)は今年2月に、クレジットカードの不正利用の被害にあった。Amazonをはじめとする大手ネットショップでしかカードの利用はなく、被害の心当たりはないという。カード会社に問い合わせると、不正に利用された疑いがあるとのことで、その分の料金は請求されなかった。
「たまたま、利用明細のメールを見たら身に覚えがないサイトから2千円ほど請求がかかっていたのです。いつもはクレカのメールをそんな見ないので、本当に偶然見つけたという状況でした」
実は、今年で29歳になる記者も同じ被害にあった。今年1月に、カード会社から「【重要】番号制限のお知らせ」との件名がついたメールを受信した。そこにはこんな文章が記載されていた。
「過去にお客さまが利用したショップやフィッシングサイト、なりすましメールなどからお客さまのカード情報が漏洩(ろうえい)した可能性があると判断しました。つきましては、第三者による不正利用防止のため、以下のカード番号のWebでのご利用(ネットでのお支払い)を停止させていただきました(一部修正)」
メールには、「セキュリティー観点により、停止理由について上記以上の詳細はお答えできません」と記載されている。とはいえ、自分のカードが不正利用の被害に遭ったのではないか。そんな不安が残ることから、センターに問い合わせてみた。
するとこんな回答が……。