●非日常で贅沢な「生」
この日の会を開いた遠山雅夫さんは、「以前住んでいたニューヨークでは、日本より音楽を聴いて感じたことを共有する文化が盛んだった」と懐かしむ。帰国後、エル・マジェスタの存在を知ってからは、時折自宅や会社に招くようになった。家での演奏会は初参加という石川順一さん(62)は、「本物に触れることで感受性が磨かれる。今の社会に求められるのは音楽でもスポーツでも、媒体を通さない『生』を実感することだと思います」
宴たけなわで「情熱大陸」「コーヒールンバ」「ルパン三世のテーマ」「君の瞳に恋してる」が演奏された。カメラ撮影に盛り上がり、手拍子にわく室内。
納涼会なので、奏者の衣装は浴衣。熊谷聡史さん(31)は、「夏らしく華やか。非日常で贅沢な会です」と満足そうだった。(編集部/市岡ひかり、小野ヒデコ)
※AERA 2017年9月4日号