最も投資が盛んなのは、高額で資産価値も落ちにくい不動産です。最近は家族で信託基金を作って運用する。信託基金の収益に法人税はかからず、個人所得税は徴収するが、実際の徴収はまだない。その基金で日本の不動産を買い、民泊用に貸し出し、宿泊料で収入も得る方法です。海外に設立した会社を使って不動産を購入する動きもある。海外に留学する子どもの住まいの確保に不動産を買うケースも増え、通学する間はそこに住まわせ、住まなくなれば資産として運用する。
一方で、金やプラチナなどの貴金属や美術品の購入も盛んなのは、銀行口座に反映されないためです。ただ偽物のリスクもあり、不動産や金ほど活発ではありません。
15年末ごろ、「日本で10億円の不動産物件を週内に見つけたい」という資産家がいた。その頃は中国政府がCRS導入の協議書に署名をした時期。こうした緊急避難的な投資は今がピーク。この状況は18年いっぱい続くでしょう。(談)
(構成/編集部・山口亮子)
※AERA 2017年7月17日号