──受け皿はどう作りますか。
わかりやすいのは野党が結集して新党を作ること。共産党とも選挙協力はする。こういうとすぐ「野合」という批判が出るが、フランスだって極右のルペンに対抗し、いろいろな政治勢力が結集してマクロンを勝たせたわけだから、そうした批判はあたらない。自民党との政策の対立軸はいくらでもあります。
──自民党内で、安倍政権を批判する勢力が失われたのは、党中央に権力が集中する小選挙区制のせいではないかとも言われています。
無所属で勝てるような強い政治家でも物を言わないんだから、もはや制度の問題というより政治家の覚悟、資質の問題。あらゆる人に幸せを配分するという近代民主主義の政治哲学をしっかり持っている政治家がいなくなったということです。
──風だのみでも勝てるため、政治家が小粒化したという声もあります。
小選挙区制のせいではありません。イギリスは以前から小選挙区制ですが、サッチャーをはじめ、大物政治家が誕生しています。また、各議員は選挙区を回り、有権者の細かい要望に応えている。民衆の意見をくみ取り、政治に反映するというのが民主主義の基本です。
(構成/編集部・福井洋平)
※AERA 2017年6月26日号
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