AKB48グループメンバーがプロレスラーに扮し戦う「豆腐プロレス」が人気だ。女性アイドルも続々プロレスに参戦し、賞をとる選手もあらわれた。プロレスとアイドル、一見遠そうなジャンルを股にかける女子が増えているのは、なぜなのか。
プロレスラーだった父の急死を機に、普通の女子高生(宮脇咲良)が父を裏切った元弟子率いる道場に立ち向かうためプロレスデビュー──今年1月から放送されているドラマ「豆腐プロレス」(テレビ朝日系、毎週土曜深夜0時5分~)は、宮脇さんやライバル役の松井珠理奈さんら総選挙上位メンバーを含め、AKB48グループのメンバーが多数出演している。試合シーンはスタントを立てずアイドル本人が打撃技や組み技をあわせて撮影。月に2回、リングでロープに飛んだり受け身を取るなどの練習を重ねてきた。
本格的トレーニングが必要なため、番組出演の意思があるメンバーが手をあげる方式。出演を躊躇するメンバーもいる中、宮脇さんは「新しい世界を一から学べて成長できる」と真っ先に立候補した。
今年1月に東京ドームのプロレス興行を初めて生で観覧して「アイドルとプロレスは似ている」と実感した。
●喜怒哀楽ぶつかり合う
「倒れそうになっても、声援を力に変えて選手が立ち上がっていた。私たちもファンの方たちに支えられてばかり。どちらもファンがいなければ成立しないジャンルなんだと感じました」
プロレスは場外乱闘や2人がかりの攻撃が一定程度認められるなどルールの幅が広く、選手や技の個性も多様。選手の喜怒哀楽さまざまな感情がぶつかり合い、そこにファンが感情移入する競技でもある。宮脇さんはそこにもアイドル、特にAKB48グループとの共通点があるという。
「私たちは夢の世界の住人ではない。きれいなところだけ見せるのではなく、悲しんだり落ち込んだりしたことをそのまま言うほうがファンの方は支持してくれます。そこもプロレスとすごく似ているなと」