紅白歌合戦出場や、球場での野外コンサート。何かと「声優初」に縁がある水樹奈々。この夏は自身初のミュージカルに挑戦する。
声優として初めて紅白歌合戦に出場したり、千葉マリンスタジアムや阪神甲子園球場で野外コンサートを敢行したり。そんな水樹奈々が次に挑戦するのがミュージカルの主演だ。
演目は、米国のシンガー・ソングライター、キャロル・キングの半生をつづった、日本初演の「ビューティフル」。世界中でロングランを続けるブロードウェー発の大ヒットミュージカルだ。トニー賞、グラミー賞、オリヴィエ賞と、演劇としても音楽としても米英で最高賞に輝く。
●どこまでも縁を感じた
2014年、水樹はブロードウェーでこの作品を観た。
「ここまで心を動かされたミュージカルは初めてでした」
と振り返る。
「主人公は女性で、幼少期から父や母に音楽に触れる機会を作ってもらっていた。好きな人ができたら一直線で、恋の苦悩や友人たちとの関係を歌詞に落としていく。そしてキャロルの経験がリアルに言葉(歌詞)に乗っていることなどに、ものすごく共感したんです」
帰国しても興奮冷めやらず、ラジオ番組やアフレコ現場などで、機会あるごとにその素晴らしさを語った。すると1年後、「ビューティフル」の、しかも主演のオファーが舞い込んだ。
「あの『ビューティフル』ですか!?とビックリでした。気持ちは『やりたい』。でも、大役を果たせるのかと不安で……。即答はせず、レコード会社のプロデューサーや親友をはじめ、いろんな人に相談しました」
そもそも水樹にとってミュージカルは「個人的に楽しむもの」。これまではオファーがあっても、
「勇気がなくて一歩を踏み出せなかった」
だが「ビューティフル」は、
「今までにない感銘を受けたステージ。それに出られるなんてもうないかもしれないし、願ってもないチャンス」
相談した誰もがそんな気持ちを察して背中を押してくれ、出演を決めることができたと言う。