●利益率の高い“外回り”
──察するに、以前よりも儲けづらくなったということでしょうか。だとしたら、今のリフォーム会社はどのような工事で利益を出しているのでしょう?
C:一番、稼ぎやすいのは“外回り”。外壁塗装や屋上防水。外壁の塗り替えはペンキ屋と足場屋だけ手配すればいいし、家の中に入らないから施主に気を使う必要もなく、クレームも入りづらい。非常に手離れがいいんです。おまけに、面積が増えても限られた職人さんで対応できるから、利益率が高い。だから、旧ペイントハウスやペンタくんなど、外壁塗装専門業者から事業を拡大してきた企業も多い。
A:ウチの場合は木工で利益を稼いでいますね。職人を抱えていて、既製品にない商品をイチからつくれるので、他の商品と比較されにくく、利益を乗せやすい。ただ、仕事として多いのは壁紙の張り替えです。お客さんもネットで相場をチェックすることができるから、利益率は非常に低いんですけど……。壁紙の張り替えは安く提供して、利益率の高い木工につなげられたらなと考えているところです。
──一時、話題になったボッタクリの悪徳リフォーム業者はまだ跋扈していますか?
A:いや、都市部にはほとんどいないと思いますよ。悪徳と言われた業者の大半は訪問販売でしたからね。一戸建ての多い地方ならともかく、オートロック付きのマンションばかりの都心部では訪問さえできないので。
B:ただ、水回り専門ですと“悪徳じみた”業者が少なくないですよね。「水漏れトラブル△△△△円」などと明朗会計をうたっていたりしますけど、水漏れの原因の大半はたった数百円で取り替え可能なパッキンの破損であるケースなんです。なのに、その10倍以上の金額で補修工事を行って、ついでに「今だったらキャンペーン価格で温水洗浄便座に交換できますよ?」と定価と大して変わらない値段で温水洗浄便座を売りつける業者もある。実は水回り専門業者が日本一、温水洗浄便座を売っているというのは有名な話。彼らは常に、トラックに大量の温水洗浄便座を積んでますからね(笑)。