──素朴な疑問なのですが、現場には受注したリフォーム業者の方がいて見ているものではないんですか?
B:現場監督が常駐している現場なんて、高層マンションの建設現場ぐらいのものですよ。新築の戸建て住宅の現場にだって、常駐していません。現場監督は年収にして最低700万~800万円はもらえる高給取りですからね。一つの現場の専任として常駐させたら、それだけで月に60万~70万円のコストになるわけです。集合住宅の建設現場なら十分ペイできますが、それ以外は無理。新築の戸建て住宅の現場監督も5~10程度の現場を掛け持ちしている人が大半。リフォームになると、まず職人だけですよ。私も初日と最終日に施主に挨拶に行く程度です。
C:その職人の話でいうと、マナーのなっていない人が増えているように感じます。おそらく、新築の現場しか知らない職人さんがリフォームに流れてきているからでしょう。新築なら家人がいないから、コミュニケーション能力は問われません。けど、リフォームは施主が生活する空間に入り込んで施工しなくてはならないケースも多いですからね。まともに挨拶ができない職人さんは困る……。
B:現場の管理は非常に難しいテーマですよね。いまだに壁をぶち抜いてみたら、壁の中からゴミが出てきたといったケースもあります。けど、こうした手抜き工事は受注元の意思とは関係なく、現場の職人がラクをしようと思ってやってしまうことも少なくない。
●「一式◇◇円」に要注意
C:大手のリフォーム業者は「解体業者を紹介することはできますが、ウチはやりません」というところが多いですよね。外の解体業者に投げたら、ゴミをどう処分しているか把握できませんから。依頼した解体業者がゴミを不法投棄していたら、発注元が責任を問われます。ウチはハウスメーカーですから、簡単なリフォームだけでなく、建て替えもやっているんですけど、ごく稀に建物の基礎から産業廃棄物が大量に出てくることもあります。解体も行っている業者には廃棄コストをケチるために、別の現場にゴミを埋めるようなところもあるんです……。まずバレないし、カサ増しもできるからと。