A:葬儀業界もそうですけど、お客さんが時間に追われてじっくり考える余裕のないサービスは言い値で売れるんですよね。だから、水回り以外にもカギのトラブル、シロアリ駆除なども利益率は高い。害虫駆除業者のなかには、「ゴキブリ1匹が出たから駆除してくれ」と頼まれたら3万円で引き受ける業者もあると聞いたことがあります。

C:屋上防水にも悪徳業者はいますね。できもしないのに「30年保証」をうたっている業者に多い。防水資材のメーカーの保証は10年のものが大半だから、30年保証は業者独自の保証制度。当然、お客さんとしては30年のほうがお得だと感じますよね?けど、そういう業者は言ってるだけ。数年経って防水効果が落ちているとクレームを入れようと思ったら、すでに会社がなかったりする。その頃には看板を付け替えて、また同じ手法でカモを探すという業者もまだあります。

●打ち替えと増し打ち

B:外壁だと、“打ち替え”で工事代金を請求しておきながら、“増し打ち”で済ます業者もいますね。10年ほど経過した外壁を塗装する際には、気密性や防水性を保持するために隙間を目地材などで埋めるコーキングが劣化していて、これをすべて撤去したうえで打ち替えないといけないことのほうが多い。けど、劣化したコーキングのうえに増し打ちしても見た目は一緒なんです。そのうえに塗装を施すので、プロが見ても打ち替えなのか増し打ちなのか見分けがつかない。当然、打ち替えのほうが手間が倍かかるし、耐久性も向上するから、施工費が高い。だから、打ち替えしますと言って増し打ちで済ませば、大きな利益をあげられるわけです。

●初日と最終日だけ挨拶

C:現場の職人さんがラクをしようと手を抜くケースもありますから、ウチの場合は、職人さんに途中経過を写真に撮らせています。外壁塗装は最低でも3~4回塗り直さなきゃいけないのに、1、2回の塗り直しで済まそうとする職人さんもいます。だから、外壁を黄色く塗装する場合には1回目は白色の塗料、2回目はクリーム色の塗料、というふうに色みを少し変えながら塗装してもらって、その写真を送ってもらうんです。そうすれば、ちゃんと塗り直しているのがわかる。

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