A:フローリングもそうです。だいたいフローリング材は1ケースで1坪分ですけど、3.1平米入りもあれば3.25平米入りもあるし、3.3平米入りもある。仮に3.1平米入りのフローリング材で3.2平米の床を張り替えるとすると、2ケース必要になってくる。その点を理解してもらえないとお客さんとトラブルになりやすい……。

●建材価格をネットで確認

B:あとは材料に利益を上乗せしづらくなりましたよね。以前だったら仕入れ値に20%ほど乗せた金額でお客さんに出すのが普通でしたけど、今は5~10%しか乗せられない。トイレでもお風呂でも、今やいくらでもインターネットで最安値を検索することが可能だから。

C:価格ばかり重視するお客さんが増えたから、正直者がバカを見ることが多くなりましたね。お客さんが相見積もりを取ったときに、追加工事が発生する可能性を考慮しない最低金額の見積もりを出す業者に仕事が流れてしまいますから。リフォームはアイデア勝負の面もあるんです。キッチンリフォーム一つとっても、キッチンを単に入れ替えるものから、壁をぶち抜いて開放的なアイランドキッチンにするリフォームまでさまざまじゃないですか。アイデアを絞って見積もりを出しても、お客さんのなかにはウチの提案書を相見積もりで最低金額を提示した業者に持ち込んで、「もっと安い料金で、こんなふうにできませんか?」とかやる人がいるんです。アイデアをパクられたうえに、その企画を練るコストや現調(現場調査)の諸経費はこちら持ちですからね。文句の一つも言ってやりたいですよ!

A:それでいうと、“施主支給”が増えましたよね。建材をネット通販で施主が仕入れてきて、「工事だけやってください」っていう。でも、これもトラブルが多い。トイレ一つとっても、施主がネットで仕入れてきたものだけじゃ配管が合わなかったり、そもそも施工日に材料がそろってなかったりすることも少なくない。かといって、こちらは職人のスケジュールを押さえているから、施工費は請求せざるを得ない。

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