じつは、籠池氏が昭恵夫人から100万円の寄付を受けた、と証言している15年9月5日の前後の数日間は、森友学園の疑惑に迫る上で核心ともいえるタイミングに当たる。同年9月3日に安倍首相は迫田氏らと面談。安倍首相が大阪入りした翌4日には、近畿財務局、大阪航空局の担当者と施工事業者が大阪市内の財務局で会合を持った記録があり、翌5日の昭恵夫人の森友学園訪問、名誉校長就任へと連なっている。
参考人質疑で迫田氏は、15年9月3日に安倍首相と面談した理由について、
「日本郵政グループ3社の株式上場に関する報告」と説明。「本件について報告等を受けたことはない。政治的配慮をするべくもなかった」(迫田氏)
「国会議員などから問い合わせもなく、政治的配慮は一切していない」(武内氏)と、それぞれ政治的関与を否定した。
●政治家の関与も吐露
一方、14年12月に始まった大阪府の私学審議会での議論は、学園の財政基盤の弱さを懸念する委員の声が相次いだにもかかわらず、15年1月に条件付きで「認可適当」の判断が下された。国と大阪府が「開校ありき」で手続きを進めたかのように映る背景には何があったのか。
大阪府への小学校設置認可申請について、籠池氏は証人喚問で元大阪府議の故畠成章氏に「熱心に動いていただいた」と言及した。
14年9月に死去した畠氏はどのような人物なのか。畠氏は森友学園の創設者の故森友寛氏とも昵懇で、松井一郎府知事の父親(元大阪府議)とも懇意の間柄だった。松井氏らが維新を結成する際にも、大阪府議会議長として尽力したとされる。
自民党のある地元議員は畠氏についてこう振り返る。