日進月歩の家電の進歩で、家事は驚くほど楽になって…いないのはなぜだ! 気が付かぬうちに“メタボ化”した家事は時に苦役だ。家事は本来生きること。私たちの手に、家事を取り戻そう。AERA 2017年2月13日号では、「家事からの解放」を大特集。がんばり過ぎない家事に大切なのは“抜け感”だという。人気のインスタグラマーにそれぞれの“抜け感”を聞いた。
* * *
「休日の楽しみは、ゆっくり一皿のご飯を食べること」
約3万人のフォロワーを持つインスタグラマーのchiiさん(34)は話す。フリーマーケットで買った念願の羽釜でご飯を炊く写真の投稿には、1700件超の「いいね!」がついた。
chiiさんのモットーは「“やらなければならない”はどんよりする。こだわりの道具で家事を楽しむ」。共働きで家族の時間が限られているからこそ、団らんの「質」が大切。chiiさんにとって、家事は義務や労働ではなく生活を彩る「手段」だ。
「昔は、家事の達成感は家族から得ていたけれど、今はSNSで情報交換ができる。私も家事の意欲を『いいね!』で保持しています」(chiiさん)
暮らしに関することは、インスタグラムでよく共有されるネタだ。「#丁寧な暮らし」や「#暮らしを楽しむ」などのハッシュタグが人気を集める。インスタグラムは、閲覧した写真や動画、フォローアカウントに基づきおすすめの写真が表示されるので、趣味の似た仲間が集まるコミュニティーが作られやすい。
●「手が届きそう」が人気
「#お弁当」も定番だ。3人の子どもを育てるheavydrinkerさん(34)は、おいしそうなお弁当写真の投稿でフォロワー数は約9万。
「お弁当作りは朝20分が勝負。卵焼きとメイン、時間があるときはもう1品。紫キャベツを入れたりして見栄え良くはしない。全体が茶色くても、“茶色いご飯が一番おいしい”って家族に言ってます」(heavydrinkerさん)