時代とともに言葉が生まれ、意味が移り変わっていくのは日本語も英語も同じ。それなのに、英語は高校や大学で学んだまま。この言い方で、ちゃんと伝わっているんだろうか……。そんな不安を抱えているあなた。単語選びやちょっとしたあいづち、発声で、あなたの英語は見違えるのだ。AERA 2017年2月6日号は、SNS時代に生まれた新しい単語、名スピーチに共通の「心を動かすポイント」と共に、「惜しい」英語からの脱却法を特集している。
旅行や出張の滞在先を探すゲストと部屋を貸したいホストを結ぶAirbnb。東京五輪のホテル不足解消策としても注目される。気になるのはホストに必要な英語力だ。
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東京・六本木にほど近い自宅2階の和室に、100組近い外国人ゲストを迎えてきたという男性(41)は、その経験から、Airbnb(エアビーアンドビー)のホストに必要な英語力についてこう話す。
「中学校の教科書レベルの英語で十分。自己紹介文はインターネットの辞書で例文検索をすれば書けるし、そもそもゲストは日本人の英語力に期待していません」
IT企業を経営している。ホストとしてAirbnbに登録したのは3年前。以来、必要に迫られて英語を話したり書いたりしているが、
「ネイティブのゲストと話していると、何か話すたびに『Sorry?』と聞き返されます(笑)。それでも楽しくやれているし、ゲストから英語力の低さを指摘されたことなんて、一度もない。自分のことを『英語ができない人』とは、思わなくなりました」
●できるだけ早く返信
そもそも英語が母国語ではないゲストも多く、Airbnbのやりとりに関して言えば、「惜しい英語」がむしろ標準なのだ。
ゲストがわからないことはその都度説明すればいいので、特別なマニュアルやハウスルールは作っていない。ただし、後でクレームにならないように、
「僕自身も同じ家で暮らしていることや他のゲストが来る可能性もあることなどを伝える定型文は、予約が確定する前に送ることにしています。そのうえで、この部屋にするかどうかはご自身で決めてください、と。これでいままで、トラブルになったことはありません」