そんな中、追加費用なしの葬儀「小さなお葬式」でシェアを急拡大しているベンチャー企業、ユニクエスト・オンラインが、寺など移転元の墓地管理者との交渉を含めた墓じまいの手続きすべてを代行する業界初の「改葬代行サービス」を10月に開始する。

 本来、墓じまいをするには、今ある墓地の管理者から「埋蔵証明書」、移転先の墓の管理者から「受入証明書」を出してもらい、これらを市区町村役場に提出して「改葬許可証」を請求する必要がある。

 許可証をもらって墓を開く際は、魂を抜く「閉眼供養」を行い、墓石を撤去して整地したうえで管理者に返却する。墓石を新しい墓地で使う場合は運搬、使わない場合は処分の手配も必要だ。そして、出した遺骨を移転先のお墓に持っていき、魂を入れる「開眼供養」をして納骨するという流れが一般的だ。

 移転元が公営の霊園であれば埋蔵証明書は事務的に発行されるが、寺の墓地だと一筋縄ではいかないことも。納得いかない離檀料を請求されても断れない人も多い。

●寺との交渉を代行

 ユニクエスト・オンラインが始める墓じまい代行サービスでは、寺など移転元との離檀の交渉から行政手続き、墓地の撤去・整地、洗骨、遺骨の配送までを代行する。依頼者は料金を支払い、移転元の寺や霊園の連絡先など必要な情報を提供すれば、原則として何もする必要がない。しかも同社では、「離檀料ゼロ」での改葬を目指すという。

「離檀料は違法性が高く、各宗派の本山も多くは認めていないので、きちんと説明すれば離檀料なしで話をまとめることは可能と考えています。難航した場合は必要に応じてお客様に交渉に加わっていただく可能性はありますが、当社がリードして手続きを完了させます」(和田翔雄取締役)

 閉眼供養をする場合のお布施は別途必要になるが、1坪以内の墓地であればなんと21万円(税込み)の全国統一価格だ。永代供養墓や海洋散骨付きのプランを希望する場合は28万円(同)で対応する。

 核家族化と少子高齢化で「寺離れ」が進み、経済的に苦境に陥る寺が多いことも改葬トラブルにつながっている。葬祭カウンセラーの二村祐輔氏はこうアドバイスする。

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