沖縄県議選で当選を決め、カチャーシーを踊って喜ぶ県政与党の女性候補。議席を減らしたのは「中立」会派だった/6月5日 (c)朝日新聞社
沖縄県議選で当選を決め、カチャーシーを踊って喜ぶ県政与党の女性候補。議席を減らしたのは「中立」会派だった/6月5日 (c)朝日新聞社
この記事の写真をすべて見る

 沖縄でまた「新基地拒否」の民意が示された。沖縄県議選で県政与党が勝ったのは、相次ぐ米軍関係者の事件事故への反発だけが理由なのか。

 6月5日に投開票された沖縄県議選(定数48)は、翁長雄志知事を支える県政与党が改選前を上回る27議席を獲得し、過半数を維持した。安倍政権が進める米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設阻止を訴える翁長知事の基盤は、揺るがなかった。

 それでも、政府与党は強気の姿勢を崩していない。選挙翌日の会見で、菅義偉官房長官は「政府の考え方に変わりはない」と述べ、辺野古移設計画への影響を否定。7月の参院選で改選を迎える自民党参院議員の島尻安伊子沖縄北方担当相(沖縄選挙区)は記者団に、「(自民は)1議席伸ばしたのだから、一定の評価を受けた」と強調した。

●日米の事件対策 県民には既視感

 実際はどうなのか。

 自公が支えた稲嶺恵一知事時代の1999~2006年、沖縄県政策参与として基地行政を担った政治アナリストの比嘉良彦氏はこう見る。

「ここ2、3年の県内世論の状況を踏まえれば予想通りの結果です。米軍関係者による事件や事故は反発を増幅したとは言えますが、選挙結果を左右したわけではありません」

 米軍属によるレイプ殺害容疑事件を受け、政府や米軍は県議選前に「対策」を打ち出した。

次のページ