だから、学歴が自分のアイデンティティーそのものになることは、なんら不思議ではないという。そんな辛酸さんは、

「生まれ変われるのなら、財閥のお嬢様がいい。海外の貴族が通う学校に留学したいですね」

 ……わかります。「学歴至上主義の人たちに違和感を覚える」と言いつつ私(記者)も、超越した経歴を手に入れてみたいと、心のどこかで妄想しています。(文中カタカナ名は仮名)

(編集部・古田真梨子)

■「学歴至上主義」の人たち、どう思う?
※アエラネットを通じて、今年5月にアンケート

・相手の頭が悪いと判断すると、話しすらしない人がいる。自分と合うレベルかどうかで付き合う相手を選別している(三重、25歳女性、アルバイト)

・そういうもの(学歴)にしかすがることができない人は可哀想だと思います(千葉、41歳女性、会社員)

・自意識過剰かもしれないが、京大出身の私を周囲は「高学歴な人」というフィルターを通して見ていると感じる。気兼ねなくコミュニケーションが取れるのは、同じレベルの大学出身の人になってしまうのは仕方がないのでは。私の妻も京大出身です(愛媛、35歳男性、団体職員)

・出身大学をプライドにしている雰囲気が漂い、鼻につく(栃木、30歳女性、公務員)

・学歴至上主義であればあるほど、大学への帰属意識の強固さを感じる(大阪、29歳男性、会社員)

・努力して大学に入った人は仕事でも力を発揮している。大学受験の負け組はアイデンティティーもなく働いているように思う。そんな意識の低い人と話をしたくないのだろう(東京、40歳女性、パート従業員)

AERA 2016年6月6日号